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2021.03.04お知らせ

横浜国立大学×京急電鉄×日産自動車×横浜市

小量乗合輸送サービス『とみおかーと』の有償運行実験を実施しました

スライドドアタイプ スライドドア車両
 2021年1月10日から2月28日まで、横浜市金沢区の富岡地区において、 本学、京急電鉄、日産自動車、横浜市による小量乗合輸送サービス『とみおかーと』の実証実験を行いました。 この実験では、小型電動車(ゴルフカートタイプ)を用いて、道路運送法 21 条許可に基づく有償での乗合運行を、路線定期・自由乗降方式で実現しました >> 実証実験ホームページはこちら
 ゴルフカートを用いた自由乗降による一般乗合旅客運送事業は全国初となります。

 この実証実験には、1,800 名(運行対象地域人口の約10%に相当)を超える方々が参加され、様々な場面でサービスをご利用いただきました。得られた成果の概要は下記の通りです。 本学は今後、この実験を通じて得られた利用ログおよび利用者アンケート調査結果の分析をさらに深め、地域のモビリティ改善に資する知見を創出してまいります。

《実証実験成果の概要》
① 路線定期運行サービスの利用者数
  ※ ゴルフカートタイプ1台 + 普通乗用車(日産セレナ)1台での運行
  ※ COVID-19感染対策として、1台の乗車人数は3名以下に制限
  ※ 運賃は1人1乗車200円 ・延べ利用人数は、無償運行期間:1,295(人・回)、有償運行期間:829(人・回)、全期間:2,124(人・回)
・日平均利用人数は、無償運行期間:24.9(人・回)、有償運行期間:17.7(人・回)、全期間:21.5(人・回)
・有償運行期間の平均利用人数は、無償運行期間の平均から約29%減少しました。
・平日の平均利用人数23.8(人・回)に対し、土日祝日は15.9(人・回)と約33%少ないです。
・有償化で利用者は約3割減少しましたが、平日を中心に一日20(人・回)程度の需要が継続的にみられました。
・有償運行期間は、COVID-19による緊急事態宣言の発出期間と完全に一致していたため、そもそもの外出自粛の影響を、利用者への事後調査によって分析する必要があります。
利用者数の推移(無償運行期間)

利用者数の推移(無償運行期間)


利用者数の推移(有償運行期間)

利用者数の推移(有償運行期間)


② 地域との連携の取り組み
・実験対象地域(富岡西1~7丁目、富岡東1, 3丁目)における「とみおかーと」に対する認知率は、路線定期運行ルートの沿線である富岡西エリアを中心に高くなっています。
丁目別の実証実験認知率 (括弧内の数値はサンプル数)

丁目別の実証実験認知率 (括弧内の数値はサンプル数)


・「とみおかーと」に対する地域居住者の認知の深まりに伴い、運行ルート沿道店舗から待合・案内スペースを無償で提供していただき、 地元中学校の地域学習における題材として取り上げられるなど、地域側も取り組みに対して主体的に関わる動きが生まれてきました。
沿道店舗からの待合・案内スペースの提供

沿道店舗からの待合・案内スペースの提供


中学校の地域学習における題材としての「とみおかーと」のとり上げ

中学校の地域学習における題材としての「とみおかーと」のとり上げ


③ 車両や制度での工夫の成果
・地域居住者と横浜国大Y-GSA(建築デザインチーム)の協働により、地域の利用者にとってより使いやすい形状に車両を改良しました。
乗降のしやすさを向上させるための車両の改良(スライドドア方式への変更)

乗降のしやすさを向上させるための車両の改良(スライドドア方式への変更)


・複数回のワークショップを通じて、ユーザー参加型のアプローチによる車両デザインを実践しました。
車両デザインのための地域居住者とのワークショップの様子

車両デザインのための地域居住者とのワークショップの様子


・「とみおかーと」を鉄道、バス、タクシーといった既存交通手段を補完する公共交通システムとして位置づけ、横浜市の地域公共交通会議における協議を経て、道路運送法第21条許可に基づく乗合輸送サービスとして、
・誰もが安心して気軽に乗車できることを重視し、 固定路線による定時運行(=予約不要)を、旅客営業用自動車(緑ナンバー)かつ自由乗降方式によって実施しました。
・また「とみおかーと」の象徴であるゴルフカートタイプの車両にこだわらず、利用者の安全性と快適性を重視した適所適材の車両選定を行い、 アップダウンや急カーブの多い緑・青・紫コースには普通乗用車(日産セレナ)を、比較的平坦で線形な赤コースはゴルフカートタイプを採用しました。

路線定期運行コースと乗降地点密度(赤い箇所ほど乗降数が多い)

路線定期運行コースと乗降地点密度(赤い箇所ほど乗降数が多い)

・ポストCOVID-19における地域全体の活動及び移動のデザインの中に「とみおかーと」を適切に位置づけ、 地域として持続させていく方策を多角的に探っていくことが、次期フェーズの研究課題であります。